言霊詩−コトダマノウタ−
 言霊遣いの想いを込めた詩       どうかその魂で受け取ってください
水紋
小さな滴

水面にぴとんと落ちる

落ちた滴は弧を描き

広い水面に広がってゆく

君よどうか

滴を落とすのを躊躇わないで

その想い

静かに広がってゆくのを

諦めないで
未来へ
例えあなたと違う方向を向いていても

背中合わせに触れあっていれば

それで幸せなの

例え二人が一歩踏み出して

背中が離れたとしても

触れあっていた温もりを忘れなければ

それで強くなれる

距離が離れても

見つめ合わなくても

お互いの存在を信じて

思い描く未来へと踏みだそう

二人はきっと

また此処で出逢えるはずだから

天体観測
暗闇の中でも歩こう

道が見えなければ

二人で灯りを点そう

凍える吐息は

お互いで暖めて

広い夜空を見上げよう

星の瞬きを二人で数えて

同じ数の夢を語ろう

空は高く 星に手が届かなくとも

お互いの瞳に映る星があれば

その身に光が宿るだろう
「また話してもいいですか?」

あなたの肯定の返事だけが

今の私を支えている

どうかお願い

私の存在を否定しないで下さい

どうかお願い

肉体の触れ合いだけが

全てだと思わないで・・・
白息
冷たい手に息を吹きかけ

白い溜息を吐き散らす

曇り空は薄灰色

夜闇ほども暗くなく

世の中の穢れを湛えているよう

見えているのに見通せない

暈けた世界の孤独

冷えた躰と白い汚れた息だけが

私の存在を示している
夢抱
叶うはず無き夢を

小さく抱きかかえて見続けた

夢見るだけで英雄はやって来ない

小さくなっていては何処へも行けない

叶うはずの無い夢を抱えて

絶望を飲み込んで

私はまた小さくなってゆく

melody line
緩やかなメロディ

懐かしさと切なさを

記憶の箱から呼び戻す

繋がる思い出は

甘やかで

涙の香りがする

記憶と旋律は

螺旋に繋がって

遺伝子のように

記憶に刻まれ

聴く度に感傷が小波となる

懐かしい旋律

色褪せた思い出

永遠を刻んで

こころの奥を掻き乱す
siesta
あなたの膝で微睡んで

額に乗せられた掌の感触を

夢の中のように受け止める

外の暑さと裏腹の

涼しい室内は

微睡みを深くして

ゆっくりと

私に重なるあなたの躰すら

幻のよう




熱愛
恋に似てる

夏の暑さは

汗ばんで

熱を持ち

思考力すら奪い

喉は枯れ

言葉を探せず

朦朧と

霞んだ視界で

憧れを見上げる


距離感
いつの間にか

遠くなってしまったね

今も変わらず

あなたを想うけれど

体が離れたら

心の距離は測れない

せめて言葉で

距離を示して・・・
旅立
あなたの知らない遠くへ行きます

新しい私になるため

あなたに縋ってしまう

私を棄てるため

あなたが私を探せない

そんな遠くへ旅立ちます